【深センIPO】工業用高純度ガスの四川僑源



 深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、四川僑源気体(301286/深セン)が6月1日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4001万株を発行予定で、公募価格は16.91元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。
 
 同社は2002年設立の民営企業で、11年に株式会社化した。高純度ガスの研究開発、生産、販売、サービスを主業務としており、高純度酸素ガス、高純度窒素ガス、高純度アルゴンガス、医療用酸素ガス、食品用窒素ガス、工業用酸素ガス、二酸化炭素、水素ガス、各種電子ガス、混合ガスなどさまざまなガス製品を手掛ける。顧客は冶金、化学工業、軍需工業、医療、食品などの従来の分野に加え、新エネルギー、半導体、電子情報、バイオ医薬、新材料などの新興産業までをカバーする。中国南西地域最大の液化空気分離ガス生産ラインを持ち、年産約44万トンの酸素、21万トンの窒素、1万5000トンのアルゴン生産能力を持つ。中国国内における工業用ガス市場シェアは2020年現在で業界第4位の0.45%である。
 
 世界の工業用ガス市場は、長きわたり欧米など先進国市場の成長に伴い発展してきた。近年、先進国市場の成長が鈍化する一方で、中国をはじめとするアジア太平洋地域の需要が伸びており、全体として安定的な成長を続けている。中国の工業用ガス市場規模は2010年の410億元から、15年には約1000億元、19年には1477億元に達し、世界市場全体に占める割合は17%前後となっている。22年には約2000億元に到達する見込みだ。急成長を遂げている中国市場だが、人口1人あたりの工業用ガス消費量は2019年時点で約16米ドルで、米国の54ドル、欧州の44ドルに比べて遥かに低いため、今後も大きく成長することが期待できる。
 
 同社は四川省、重慶市を中心とする西南地域で先発企業としての優位性を持つほか、製品の品質の高さ、豊富な水力発電資源とリサイクル技術を用いた製造コストの低さ、液体タンク輸送車80台を含む専用輸送車両90台あまりを保有するなど専門的かつ高効率な物流体制、豊富な顧客資源、液体形式、ガス管形式、瓶包装形式と各種の提供形式に対応していることを強みとする一方で、生産能力の稼働率がすでに100%を超える飽和状態となっていること、新たな生産拠点、設備を導入するための資金調達ルートが不十分であることがボトルネックであり、新規上場によって課題の克服を目指す。また、新興産業分野の市場開拓を積極的に進められるかが、さらなる成長の実現を左右する大きなポイントだ。
 
 このほか、電力価格の上昇、製品の安全な生産、輸送に必要なコスト、中国南西部以外の地域における市場開拓などが、業績、経営に対するリスク要因として存在する。
 
 2021年12月期の売上高は8億3257万元(前期比13.56%増)、純利益は1億8052万元(同22.86%減)。22年1〜3月の売上高は1億8898万元(前年同期比2.47%増)、純利益は2131万元(同59.14%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)




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